良い雰囲気のお店にするために(色彩編)
雰囲気がお店の売り上げを左右することは皆さんご存知だと思いますが、具体的に雰囲気とはどのようなことを指しているのでしょう?内装の観点か分析してみましょう。
今回は最初に、お店の印象を決める重要な要素の「色」について解説していきます。
簡単なテクニックもお伝えします。
しっかり掘り下げて良いお店を目指しましょう。
色の基本と仕組み
店の色がそんなに重要かというと、「とても重要です」!
よく皆さんが知っているのは、青色が食欲を減退させる効果があるという定説ですね。
実際、数年前、某娯楽施設にて青色のカレーを見たときは卒倒しそうになりました。
食べ物だけではなく、店内のカラーの配色にもう少し気を付けてみると、より居心地の良い空間や、エキサイティングな空間を生み出すことも可能になります。
では基本的なところで、「色の仕組み」「色相環」「配色の基本」を見ていきましょう。
色の仕組み
色といっても色々あるのです。
いわゆる法則的なものがありまして、「色の三属性」といいます。
色相 ・・・ 色合い、色の違いを表します。「赤色」「黄色」「青色」などの違いです。
それぞれの色に、人が印象を受ける特有のイメージがあります。
明度 ・・・ 明るさ
彩度 ・・・ 鮮やかさ
この2つは分かりにくいので図にしてみました。
この3つの表現が色の基本となります。
色相環
色相環とは、見ての通り色のサークルで、色のバランスや配色を決める際に使う目安となるものです。
配色の基本
配色(実際に使用する色の選択)も実は、色相環を使った基本があります。
いくつか基本的なパターンがありますが、これを参考にしてみると意外に面白いですよ。
設計デザイナーやインテリアコーディネーターは、こういった基本を十分学んでいます。
お店を作る側も、こういった基礎知識を付けていくと、お客様の視点に立ったお店作りができてくるのではないでしょうか。
ではいくつか挙げていきます。
【類似色相配色】
色相環のほぼ同系色となる隣同士の色です。比較的近い色になるため、比較的扱いやすい配色です。
【補色色相配色】
色相環で正反対の色(補色)を組み合わせる配色です。色の差が大きいため、ハッキリとした大胆な印象を与えます。
【対照色相配色】
色相環の角度で120°〜160°の範囲内の色を使います。正反対の補色と比較的近いので、ハッキリとしたな印象を与えることができます。正反対の補色と比べても色の距離は近く、色の種類も多いので、より多くの選択が可能です。
【マルチカラー配色】
3色の色を組み合わせた配色です。そうです!三角の法則です。
この正三角形をクルクル回して好きなところで配色を決めてください。
これを使うと比較的まとまった配色になります。
配色のテクニック
お店だけではなく、お皿の盛り方からアパレルまで広く言われているのが、配色の黄金比です。
【ベースカラー】70%
インテリアでいうと、「壁」「天井」「床」などの大部分を占める場所です。
【アソートカラー】25%
テーブルやカウンター、カーテンなどがこれにあたります。
【アクセントカラー】5%
花や植物、壁に掛かった絵などの小物です。
参考例です。
ファサードの典型的な例ですね。
ビル全体をベースカラーに見立て、煉瓦のアソートカラーに、オーニングでアクセントカラーに赤の差し色。植物の緑もアクセントとして併用しています。
店内ですと、壁や床のグレー系をベースカラーに、テーブルとロングチェアのアソートカラー、クッションのアクセントカラーで際立たせる。
街へ出ればこういった実例がたくさんあります。
どんな印象のお店にするか、コンセプトと照らし合わせて十分検討してください。
上記の基本の配色にすれば大きく外れることはないと思います。
実際にお店を作るときは、設計デザイナーさんとの連携が重要です。
彼らにお店のコンセプトが十分伝わるように、しっかり話し合って勧めてください。
GENTRYコンサルティングでは、経験豊富なデザイナーと確実な施工をする工務店と提携しております。