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商品開発の基本(ターゲットの明確化)

2020年12月03日

前回、商品開発の基本(現在のポシション)を説明しました。今回は最も重要な課題の一つであるターゲットのついて紐解いていこうともいます。



どこから紐解く?ターゲット選定




 


多くの開発の現場では、商品を誰に売るかということを明確にしなさいと言われています。
では実際のそのターゲットを決定する際にどのような決め方をすれば良いかというのをあまり考えられていない場合が多いように思います。

問題はその判断に必要な指標を持っていないからです。

多くの場合が、こんな技術があるからこんな商品を作れる。これならこん人たちに売れるんじゃないか。といった非常に曖昧な感覚の決め方で終わっています。最初はそれでも良いのですが、実際に商品を売ろうとするならばそれでは心許ないです。
実は商品を売るという行為は非常に複合的要素があり、これだからこうといった単純なことではありません。様々な要素を総合的に判断して販売までたどり着きます。
ということは、判断の指標が多ければ多いほどより的確なターゲット選定が可能となります。決定には難しい決断を伴いますが。

ではこのターゲットを選定する指標というのはどういったものがあるか見ていきましょう。





ターゲット選定に必要な指標




 


では実際に指標となるものを見ていきますが、これらはあくまで基本的なものです。その他に要素になりそうな指標があれば積極的に活用していきましょう。


購入者層比率

今まで販売している商品の購入層のデータから紐解いていきます。
自社で販売している商品がABCの三つあり、商品Aは40歳〜50歳が一番の顧客層。商品Bは60歳〜の高齢者がメインの顧客層。商品Cは幼児〜10歳程度向けの商品で売れている。といった前提があるとします。

このデータを前提とするなら20歳〜40歳までの層がすっぽりと抜けています。自社のブランディングとも関連してきますが、この抜けている層に対して何か商品を作れないかとなります。

商品品目比率

次に考えられるのは商品の品目からです。
現在の商品構成である商品Aは中年向けの焼き菓子。商品Bは健康志向の糖質を抑えた生菓子。商品Cは幼児向けの天然素材使用のアイス。とした場合、焼き菓子・生菓子・アイスが自社がカバーできている商品ジャンルです。この品目から見ていくと以下のマトリクスができてきます。

〜10歳代 10〜20歳代 20〜30歳代 30〜40歳代 40〜50歳代 50〜60歳代 60歳代〜
焼き菓子
生菓子
アイス

またこれ以外の商品ジャンルを考えることもできます。

技術構成

商品Aの焼き菓子を作る焼く技術、商品Bの糖質を抑えた生菓子を作る練りの技術、商品Cの天然素材を使用したアイス製造技術。が今自社が持っている技術になります。新商品を開発する際に、今現在持っている技術を横展開させていくのか、または新たな技術を確立するのかという課題があります。またその技術を横展開する際に、どの技術力がどのターゲット層にマッチするか考えなければなりません。

トレンド

今どのようなお菓子が人気で今後どのようなことが注目されていくかをある程度予測し、その方向性にマッチする世代や技術はどのようなものか考えていくのです。
例えば、近年卓越した本物志向が注目されています。その本物志向はどの世代や層が一番反応するか、またどの層が実際に購入するかを考えていきます。

価格

現在販売している商品ABCは比較的安価な価格帯です。自社の技術力やブランディングも振り返りながら、新商品を同じ価格帯で開発するのが良いのか、それとももっと安価なのかもっと高額な商品を開発した方が良いのか考えます。
ここでよく陥りがちな失敗が、高品質で比較的高額な商品を開発して利益を最大化しようとすることです。もちろん良いものを作りたいのは分かりますし、少ない利益で動くより大きい利益で動いた方が良いです。でもこれって結果論なんですね。あくまでも売れるという前提です。利益が多い少ないかは内部的な問題なので、その考え方は検証作業の時にだけにしてください。高価格帯で売れるのはあくまでも高度な価値があるときだけです。しかも高価格帯を購入できる所得層というのは年々減少しつつあります。コストの積み上げからの値付けは危険です。


地域性(住民所得)

販売する地域からターゲットを考えていく方法です。
この地域はサラリーマン家族世帯が多いという理由から家族向けの商品を考えたり、比較的裕福な高齢者が多い地域なので、彼らの利便性にもマッチする商品を開発するといった方法があります。


このようにターゲットを選定する指標というのは数多くあります。この指標をうまく活用してどのターゲットを狙っていくのが一番良いかを考えていきましょう。





実際のターゲット選定には厳しい判断が必要




 


実際にターゲットを決める場合は技術力や投下資金、人材や調査力も重要な要素になります。ここのターゲットが狙い目だからといって、技術力を獲得するのに多額の投資を伴うのであれば、過大投資にならないように十分気をつけなければなりません。トレンドもうわべだけの流行り廃りを追ってしまうと、開発に時間がかかってしまった場合にはすでにそのトレンドは変わってしまい、多くの在庫を抱えてしまうことにもなりかねません。最近でいうと後発のタピオカドリンクが良い例ですね。

上記に書かれたターゲット選定の要素を複合的に考えて決定していかなければなりません。
販売戦略にも関連することなのですが、商品を販売するということは、店の看板を売っているのと同じと思ってください。商品開発のターゲット選定を曖昧にして凡庸な商品を作れば、購入した人はきっとたいして良い印象を抱かないでしょう。それは商品だけではなく、あなたの会社の印象もそうなってしまうのです。
先ほども言いましたが、日本人は真面目ですから、良いものを作ろうと日々努力をしています。ただ、それがよく独りよがりになっているのを見ます。誰のための商品か、誰に何を伝えたいのかをはっきりしないと良い商品は生まれません。そのことをしっかり考え行動することでやがてブランドと言われるようになっていくのです。
















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