原価率と価格設定の罠
皆さんは、販売価格や原価率を決めるとき何を基準にしていますか?
「一般的に飲食店は30%位っていうなぁ」なんて曖昧な感じで決めていませんか。
ここは売上げと利益を左右する大事なところです。しっかりと考えていきましょう。
業界・業種の平均原価率は?
いろいろ言うより、分かりやすく簡単な一覧表を載せます。
下記の数値は、一般的に各業界で言われています数値の平均値を出したものです。
美容系って「原価率低い!」って思った方、そんなに甘くないですよ。人件費がすごく掛かりますから。
どの業界でも原価率にはそれなりの理由があります。それぞれに儲けの仕組みがあり、それと同時にやらなければいけない負担があるのです。
戦略なき原価設定
以前、「メニューコンセプトの作り方」でもお分かりと思いますが、価格設定に「山」「谷」を持たせることや、十分な価値提供が大事とお話ししました。
原価や利益額によって「稼ぐメニュー」やお客様の心を掴む「キラーアイテム」などをしっかり組み込まなければなりません。ただ単に「これが得意だから」「これも載せたい」などという根拠のないメニューは作らないでください。
繁盛していないお店はメニューを見ればすぐに判ります。
なぜならお客様の立場に立った視点でメニュー構成がされていないからです。
メニューの裏に隠れた、原材料の質や、これを選んで欲しいというウリのアピール、メニュー以上の付加価値の提供などなど。
それらを体系立てて作り込み、一つのストーリーのようなメニュー構成にしなければなりません。
昨今は、お客様側がより原価に厳しい感覚を持っておられます。
「コスパ」が悪いとすぐに見限られてしまいます。
原価率というのは、平均して想定の割合に達すれば良いのです。90%の原価率があっても良いですし、5%の商品があっても良いのです。
現に、原価率60%を公言している「俺のシリーズ」や「いきなりステーキ」は、好き嫌いはさておき、高回転率で売り上げを確保しています。
ということは、お客様が頼むであろうメニューの流れを、こちらでコントロールできれば良いのです。
確かに完全にコントロールはできないです。しかしある程度は可能です。メニューの構成や接客でだいぶコントロールができるはずです。
多くの場合、価格設定の順番がそもそも間違っている方が多いように思えます。
見て頂ければおわかりと思いますが、発想の順番がまるっきり逆なのです。
普通の人は、自分が作りたいことを優先しますが、ビジネスとなれば絶対的にターゲット基準にしなければなりません。ここが多くの方が間違えてしまう部分です。
原価との相関関係
前項では、「顧客視点」を忘れてはいけないですというお話でしたが、そもそものターゲット設定をきちんと考えているのかが重要となります。
例えば原価率が30%であれば良いのでしょうか。いいえ販売価格と商品内容がターゲットとマッチしていなければ意味がありません。
昨今は、かなりの低価格路線になってきていますが、では低価格路線で行こうと安易に舵を切ったら場合、お金のない若い人や余裕のないサラリーマンやOLしか来なくなるかも知れません。
客単価が低い設定ならば、座席回転率を高める施策を同時に考えておかなければ、売上げが思ったように伸びず苦戦することになってしまいます。
ターゲットの環境や所得状況をしっかり考慮して、持てる技術をどのように活かして、注目度の高い企画力を出せるかが鍵となります。
GENTRYコンサルティングは、豊富なコンサルタントの経験と質の高いデザイナー、確実な施工をする工務店と提携し、繁盛するお店を作ります。