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居抜き物件とスケルトン物件のどちらを選ぶべきか?

2018年06月11日

物件探しをしていますと必ず迷うのが「居抜き」と「スケルトン」。どちらが得なのでしょうか?どちらも一長一短ありますが、どこを基準に選ぶべきか考えて見ましょう。

 

居抜き物件のメリット・デメリット

居抜きのメリットはなんといってもコストダウンの可能性が大きいことでしょうね。それと優良な立地の確保です。それ以外は正直どうでも良いと思います。

 

では実際にどれだけコストダウンできるのでしょうか?

 

まずはチェックポイントです。

既存設備の動作確認(冷蔵庫等、エアコン、給湯器など)

配管設備の老朽化(給排水管、空調ダクトなど)

電気設備の確認(十分な容量はあるか、設備機器は老朽化していないか)

 

上記の設備関連は必ずチェックしなければなりません。

設備関連で冷蔵庫等の総入れ替えや、配管等を大幅に変更しなければいけないのでしたら、その居抜き店舗は余程立地が良い場合を除いて、経済的なメリットはほとんどないでしょう。むしろ撤去費用で余計な出費を覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 

それとこれはよくあることなのですが、動いていたはずの機器が、オープン直前に動かなくなってしまったというトラブルです。本当に多いです。

その際の入れ替え費用は、最初から新品の機器を入れるのよりも高く付いてしまいます。
怖いと思ったら必ず完全なチェックとあらかじめ機器購入の予算を組んでおくことです。

 

次に考えなければいけないのは既存内装の廃棄費用と新規造作の費用です。

 
既存設備をそっくりそのまま使うのでしたら心配いりませんが、前テナントのイメージをそのまま引き継いでしまいます。前テナントがどういった理由で撤退したのかはわかりませんが、負のイメージをそのまま引き継いでしまう可能性があります。

 
それを避けるには、一部でも良いので造作に手を加えることです。

既存設備を撤去し新たな造作に変えてイメージを一新するのです。居抜き物件を内見した際におおよその予算感が分かれば一番良いです。

これら既存設備や機器、造作工事を上手くやりくりすると、造作売買費用を差し引いても100万〜300万円以上のメリットが出る場合もあります。

 

居抜き物件は立地以外ですと、配管設備費用や既存機器購入費、造作売買費用が、リスクも含めて低価で購入できる様でしたらチャレンジする価値はあります。

 

 

スケルトンのメリット・デメリット

じつは多くの方が勘違いしているのですが、スケルトンは高いという誤解。

よく比べてみましょう。

 

スケルトン物件は文字通り何も無い状態です。

ですから一から自分たちで内装設備を作らなければなりません。防水工事からファサードまで全部です。もちろん費用が掛かります。

では、居抜きと比べるとどういったところが違うのか?

 

まず言えるのは好きなようにデザインできることでしょう。

 

それに忘れてはならないのが、前店舗の負のリスクを払拭できる点です。
これはみなさんが考えている以上に大きいです。
配管等の老朽化に対するリスク、既存機器の不具合のリスク、前店舗のマイナスイメージのリスク。

上記の突然のトラブルに対応する資金や営業への影響。売上に直接影響してきます。

 
これらを考慮すると、スケルトンに比べてそれほど高い出費になるのでしょうか?結果的に造作売買費用を考えるとあまり変わらない気がします。

ただし、その立地が特に気に入った場合は別ですが。

 

 

コンセプトに合致するか

居抜きにばかり目がいくと、本来開きたいお店のイメージから離れてしまう場合があります。これは本当に立ち止まって考えて欲しいのですが、店舗商売は「物件ありき」では無いのです。「コンセプトありき」なのです。

物件に左右されるなんて本末転倒です。

そもそも何がしたくてお店を開くのでしょうか?これを忘れては先がかなり心配です。
物件に左右され過ぎないように気をつけてください。

 
コンセプトに合致するならば、スケルトン、居抜きにかかわらず物件を選択していくべきです。皆さん、内装費用ばかりに思考をとらわれ過ぎていませんか。

これは鉄則ですが「しっかりとした商売はしっかりとしたイニシャルコストをかけている」という点を考えてみてください。

 

 

事業計画に主眼を置いて考えているか

物件探しをしていますとお解りと思いますが、「理想通りの物件は出てこない」ということです。予算が唸るくらいあれば可能でしょうが、一定の予算内ではおそらく厳しいというのが現状だと思います。

ではどこを妥協するか?

立地?広さ?築年数?居抜き物件を探していると、築年数が古い物件が多くあります。多くの方は古すぎるからと敬遠してしまいがちですが。

妥協するならば築年数でしょう。広さは席数を左右し売上に直結します。
狭くても立地が良ければ席数を減らし、オペレーションをより効率かし回転率を上げることで対応できます。
立地が悪ければ、ゆったりと席を取り単価を上げることも可能です。築年数はどうにもなりません。改築するほどの予算なんて出ないでしょう。
ですが内装をしっかり綺麗にすればカバーできます。売上にも直接影響してきません。
これらは相関関係にありますが・・・。

ですので、売上に直接関連する「立地」「広さ」には妥協せず、築年数に妥協すれば良いのです。

前店舗の営業年数が長い店舗ほど内外装を一新したときのインパクトは大きいです。

 

居抜き物件、スケルトン物件にかかわらず大事なことは「事業計画を達成できるか」ということに焦点を合わせて物件探しをしてください。

 

 

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カテゴリー: 物件選び