人材難に対応する!
苦労して採用した人材がすぐに辞めてしまう・・・。
教育をしてこれからというときに辞めてしまう・・・。
いったい原因はどこにあるのでしょうか?この記事を読んでしっかりと対策をしていきましょう。
長く働いてもらうためには?
前提として、採用基準に達した人だけを雇うということが重要です。
しっかりと作られた基準に満たない人材を採用すると、当然のようにトラブルが起こります。妥協したポイントがのちに重大な後悔へと変わっていくのです。
「こんなにも技術力がないなんて・・・」「こんなにも不真面目だなんて・・・」などです。
このような場合は苦しくても採用を我慢するか、「試験期間」のように期限を区切って採用したほうが良いでしょう。
ポイントは、「これだけは譲れない」「最低限ここを理解してもらう必要がある」など、絶対に妥協できないところを明確にしておくことです。
従業員が辞める理由はいろいろありますが、まず考えられるのは、事業の将来性が見えないということです。
誰にとっても、未来が見通せないのは大きな不安につながります。
もうひとつ重要なのが労働条件です。
最近ですと、特に休日の多さが求められます。わかりやすく言えば、「稼ぐより休みたい」です。そのため、過度な労働で不安定感を出してしまうより、シフトの組み方を工夫して対応していったほうが、長期労働への貢献は高いと思われます。
また、社内の風通しを良くすることも非常に重要です。
心得ておかなければならないのは、「人材は流動する」ということをあらかじめ前提としておくことです。そうすれば、事前の対策もできますし、辞めた場合でも温かく送り出すことができます。
黙っていては成長しない!~教育プランの策定~
飲食や美容の世界は、つい最近までいわゆる「職人」の世界でした。
先輩の技術を手に入れたかったら「盗む」ことが当たり前でした。とは言え、先輩方は割と優しい方々が多かったですから、「教えてください」と真摯に頼めば丁寧に指導してくれました。
現在はというと、「教えてもらってない!」「教えるのが当たり前!」「先輩の義務だろ!」などのように、昔では考えられないような要求が飛んできます。管理者さんの気苦労を察します。
ここには、昔と今の環境の変化が大きく影響しています。
昔は人材が余っていましたし、その中で競い合うのが前提でした。雇用の受け皿も十分あり、世界中を視野に考えなくて良かったのです。
辞めたいと言えば、代わりはいくらでもいましたし、会社の成長が主眼に考えられていました。
ところが現在は、人は足らないし、競争となれば到底かなわない世界中を視野に入れなければなりません。
確かに、新人の意識や行動が甘いと感じるときは多々あります。しかし、そのような人材が来るということは、そのお店のレベルもその程度なのです。
それならば、来てくれた人材を教育するしかありません。
最低限の条件をクリアした人材を採用した場合に備えておくのです。
キッチリと研修を用意し、事業の理念や職務の責任などを踏まえた勉強をしてもらい、自社のスタッフとして活躍してもらうのです。教育プランを用意してあげれば、新入社員は安心して学べる環境があることに満足するでしょう。
入社時のレベル判定をし、そのレベルに合わせた教育スケジュールを組み、随時振り返りを行い検証し、ステップアップした際は報酬を与える。
そうした人材教育の流れを示したのが下の図です。
よく考えてください。一般的な企業では当たり前のことではありませんか?
システムの欠陥を治せ!
何度も言っていますが、過去の人材の豊富さに甘えた業界の体質が、今になって「飲食=ブラック」「美容=ブラック」という印象を強く与えてしまいました。
現在のデフレ経済という逆風の中、雇用環境を改善していくのは容易ではありません。
経営者の考え方次第ですが、まずは従業員への過度な負担を減らすべきです。
お客様への対応や技術の習得などで、個人の努力や能力に頼り切った仕組みを止めることです。
お店で活躍してもらいたいなら、相応の研修や教育環境を整えるべきです。
日本の大手企業の技術者が海外企業に流れているのは、皆さんもよくご存知だと思います。有能な技術者の待遇を改善せず、競合他社に引き抜かれてしまうのを、指をくわえて見ているようではダメなのです。実際、高度な技術を持つ人材は高額な報酬で迎え入れられ、数年間でプロジェクトを完成させ、また違う企業へと移っていくようです。
私の尊敬する経営者の1人に、「宋文洲」という方がいます。
彼の有名な語録の1つに、「人材の宝庫じゃなくて人材の倉庫」という言葉があります。
要するに、人材を活用できなければ何の意味もなさないということです。
話が少しそれましたが、しっかり活躍できるような仕組みを作り、それに見合った待遇を用意して初めて、人材というのは活かされるのではないでしょうか?
経営環境は依然として厳しいですが、未来を見据えて頑張りましょう!