集客コンセプトの作り方
事業計画から始まり、融資、内装設備、人材確保、メニュー開発まで完了したら、あとは多くのお客様にお店の魅力をアピールするだけです。どのような手法が良いのか、見ていきましょう。
集客の目的を明確にする
ただ単に「お客さんに来てほしい」では、何を意図しているかハッキリしません。価値あるサービスを提供するには、以下の点を明確にするようにしましょう。
・どのターゲットに
・どんな価値を
・どうやって提供するのか
・その実現のための具体的な行動
ターゲットの区別も性別や年齢層、所得水準、世帯構成などで区別する必要があります。
その上で、ターゲットを来店動機別に振り分けます。ここで初めて、「この層の顧客を獲得するにはこの商品やサービスがピッタリだ!」となり、「この価値観を提供することが大事な集客コンセプトだ!」となるわけです。
大きな網では取りこぼします!
集客でよくある失敗の一つに、「どうせ広告を打つのだから、大勢にアピールした方がいい!」とターゲットを絞り込まず、明確な価値を提案していないことが挙げられます。その結果、すべてのターゲットに対して価値訴求が弱くなり、思ったほどの集客効果が得られないのです。
大切なことは細分化されたターゲットに対し、それぞれの集客コンセプトを作ることです。
つまり集客コンセプトを作ることとは、「細分化されたターゲットに合致した、それぞれの価値を提案すること」なのです。
店舗の存在の周知
どれだけ魅力的なお店を作っても、その存在を知ってもらえなければお客様は来てくれません。皆さんが考えるお店の認知手法には、どのようなものがあるでしょうか。
看板、チラシ配り、「食べログ」や「ぐるなび」など情報サイトへの掲載、facebookやtwitterといったSNSでの告知、HPの作成、雑誌への広告掲載、既存顧客への案内・・・。こんなところではないでしょうか。
しかしどんな手法を使うかは、それぞれの特性をしっかり見極めなければなりません。例えば、一般的なチラシ配りの反響率は0.1%だと言われています。チラシを1000枚配っても、1人の来店が見込める程度なのです。
大事なのは、自分のお店の来店状況や商圏を的確に把握し、それに合った効果的な手法で周知を行うことです。
そしてどの手法を使うにせよ、何を伝えなければいけないか、ハッキリしておく必要があります。
店名、業態、メニュー内容、求むターゲット像、住所、電話番号、HPアドレスは最低でも記載しなければなりません。
ここで気を付けたいのは、ターゲットに的を絞った効果的な視覚効果を使うことです。
メニュー表と考え方は同じですが、使う媒体によって多少変わります。
基本としては、写真はしっかりプロに撮ってもらう。構成はプロに依頼する。この2つは最低限守りましょう。確かにお手製も悪くはないですが、宣伝の仕方が素人レベルだと、技術レベルも素人だと思われる危険性があります。
餅は餅屋ですよ。
宣伝チャネルの選択
すでに書きましたように、ターゲットの来店状況や商圏の把握はとても大事です。その上で、ターゲットが普段どのような媒体を利用しているか調べなければなりません。
また「食べログ」や「ぐるなび」などを選択する場合は、利用料金も考慮しなければなりません。お客様が本当にこうしたサイトを参考にして来店しているのか、確認する必要があります。ちなみに「食べログ」で検索に引っ掛かるために、要する労力と費用は馬鹿にならないほどです。
HPを作成する場合は、どのようなイメージで作っていくか、ウェブデザインの担当者としっかり相談することをお勧めします。最近は、低価格でHPを立ち上げることができますので、ブランド戦略の一環として考えるのも良いでしょう。
また、FacebookなどのSNSを多用する人も多いですが、ここでも注意が必要です。ただ登録すれば終わりではなく、継続的な記事のUPが重要となります。日々の作業はかなり面倒ですが、継続的に行わないのであれば、登録する意味はほとんどないと言えるでしょう。
そして最も安価で最も効果的な宣伝方法が、店舗前の看板です。
実店舗に直結して、目の前に実物があるのですから、これほど効果的なものはありません。A看板でも良いですから、日々のお勧めやキャンペーンを書いておけば、多くの人が目にしてくれます。これなら多少目立つ形で効果的な書き方をすれば、宣伝効果はかなり上がります。
継続的宣伝(情報の更新)
HPやSNSは当然ながら、作ってUPしたら終わりではありません。
分りやすく言うと、自動車メーカーのトヨタは、車を作って終わりではないですよね。新規車種投入時は当然ですが、継続的にずっと宣伝を行っています。これはブランドイメージの向上を含めた、企業の存在周知を徹底しているためです。
ちなみにトヨタクラスですと、CM1本作るのに約10億円掛かるそうです。想像がつきません。
このように大企業ですら多額の費用を使い、継続的に自社の存在をアピールしているのですから、小規模である店舗経営者は、より継続的に宣伝を行わなければ、お店の存在を認識してもらえないのではないでしょうか。
だからこそ、集客やイベントを行うタイミングを、年間を通してスケジュール管理する必要があります。
飲食でしたら、新年会や忘年会、歓送迎会、誕生日など。
美容室でしたら、成人式や入学式、七五三、夏祭りなど。
これらのイベントごとに宣伝計画を立てて、集客見込み・売上げ予測を行うのです。
そしてこの作業は毎年継続的に行う必要があります。
年間集客計画表のDOWN LOAD は「こちら」