出来る!店舗開業完全マニュアル!

人材を確保する!

2017年07月24日

お店を開業する時から始まる、人材確保のための長い長い戦い。
超人手不足に突入したこの時代に、どのようにすれば効率的に優良な人材を確保できるのか。そのヒントをお伝えします。最初に人材を取り巻く環境から考えていきましょう。

 

並大抵じゃない人材難!

人材難の現実は、考えるだけで恐ろしくなります。色々な報道で皆さんも薄々は感じていると思います。ここではデータをもとに、実際の採用現場の現実をお伝えします。

 

まず人材の枯渇具合です。

 

 

折れ線グラフが示すのは、有効求人数を有効求職者数で割った有効求人倍率です。倍率が1倍を上回ると求人数が多く、1倍を下回ると求職者数が多いということになります。

ご覧の通り、近年は求人数に対して働く人が足らない状況が続いています。それも当然かもしれません。人口は減っているのに、独立する30代40代が増えているのですから。そして大企業は売上拡大を目指して店舗展開を進めています。人材獲得競争も激しく、売上に貢献できる有能な人材は大手が持って行ってしまいます。その結果、既存の小規模店舗の経営がとても厳しくなるのです。すでに多くの小規模店舗が、人材難を理由に閉店に追い込まれています。

 

 

人材採用コストの現実

現在、人材確保に掛かるコストは、どのくらいでしょうか。例えば首都圏で正社員を募集する場合、求人広告を出稿するのに最低約10万円程度、人材紹介会社を通すと採用者の年収の20~30%を手数料として払わなければなりません。「こんなに掛かるの?!」と思うかもしれませんね。求人広告を出しても応募者数はおそらく数名です。しかも優れた人材は望めません。経験があり有能な人材は引く手あまたですから、よほど条件が良くない限り、応募してくることはないと考えるべきでしょう。

そこで多くの企業では、自社のことを理解してくれる人材紹介会社を利用するのです。
時には面接まで担当してくれる場合もあります。

採用に掛かる様々なコストや時間の節約を考えると、人材紹介会社を利用したほうがお得な場合が多いようです。

注意点としては、しっかりと対応できる会社や担当者を選ぶことです。

最近はなくなってきましたが、一昔前はいわゆる「人夫出し」的な考え方で、人を送り込んでナンボの商売の感覚がありました。和食の料理人がほしいのに、パティシエ志望の子を送り込んだり・・・。金銭的な報酬コストばかりを見ている会社はダメです。「人材を紹介することで顧客企業に成長してほしい」という意識を持つ担当者を探さないといけません。

 

 

求職者の意識の変化

すでに報道などでご存じの方も多いと思いますが、若い世代の仕事に対する意識は、経営者層が考える意識と年々かいりしているように思えます。

以下の図は、働く若い方を対象に行われた仕事に対する意識調査です。

 

◯働く目的

 

一昔前は、「稼ぎたい」「出世したい」という目的が多かったはずです。しかし今は、会社に骨を埋めるという考えより、「プライベートを充実させたい」というのが本音のようですね。

 

◯人並み以上に働きたいか

 

近年、「ブラック企業」や「サービス残業」という言葉に代表されるように、労働者を酷使する企業が叩かれています。労働の対価をきちんと払ってもらえないのであれば、無理して働く必要がないというのは当たり前ですね。

 

◯会社の選択理由

 

将来の不安は誰にでもあるものなので、安定した生活を送れる可能性のある企業を選ぶのは、ある意味当然です。ただし今の時代、シャープや東芝などの事例を見てもわかるように、超大手企業と言えども一寸先は闇なのかもしれません・・・。

 

◯どのポストまで昇進したいか

 

女性の管理職への意欲上昇が目立つのは、共働き世帯が増えていることと関係がありそうです。その一方で、「責任ばかり押し付けられる役職には就きたくない」と考える人が一定数いるのも事実のようですね。
このように若い世代の仕事に対する意識をデータでみると、有能な人材を獲得するのがいかに厳しいかがわかります。
彼らは会社よりプライベートを優先し、仕事の責任や労働の対価をしっかりと求めてきます。
結果的に、昔に比べ人材獲得コストはかなり増加しているのです。
しかし、こうした状況に対応しなければ、事業の存続は危ぶまれます。

 

そもそも事業とは誰のためにあるのでしょうか?

経営者がひとたび従業員を雇用すれば、「自分だけの城」ではなくなります。
世間に貢献し、従業員に富をもたらし、その上で会社の発展があるのではないでしょうか?

すべては考え方次第です。

 

「従業員の幸せ」と「事業の発展」という両輪を、バランスよく回していくのは非常に大変です。しかしそれをしなければ、企業の成長もないのです。

 

※データ図出展:公益財団法人 日本生産性本部/一般社団法人 日本経済青年協議会

 

 

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カテゴリー: 人材募集