出来る!店舗開業完全マニュアル!

生産地訪問!福島県主催!ふくしまの恵み バイヤーツアー!

2017年11月12日

早朝の(といっても9時に郡山駅ですが・・・)集合でとても眠かったのですが、今回は「事務局員」として、参加者のアテンド等をお手伝いさせて頂きながら同行いたしました。

生憎の雨の中での生産者見学でしたが、とても感心させられましたのでレポートを書いてみました。

 

 米農家を訪問。稲作の基本の流れ

米の生産ってみなさんどうやっているか想像できますか?
種籾を蒔いて、農薬撒いて、稲刈りして、精米して終わりと思っていませんか?
そういう私自身もたいして知りませんでした。今回は本当に勉強になりました。

まず大事なのが田んぼの管理です。
水田に綺麗な水が流れ込むように、また田植え時期の水温を管理します。
厳格な選別を終えた種籾を稲に成長させて、天候に非常に左右されながらもタイミングを見計らいながら田植えを行います。このタイミングは10日程しかないそうです。

田植え後も、低農薬管理を行い、稲が十分育つように管理していきます。
天候に左右されながらも収穫の時期を迎えれば稲刈りです。稲刈りもタイミングがとても難しくて1週間程度の猶予しかないらしいです。その短い期間の中で広大な田んぼを一気に刈り入れます。家族はもちろん、近隣のパートさん方にお手伝い頂きながら集中的に行います。

脱穀された籾を籾殻と玄米にする過程も大切で、まずは乾燥しなければなりません。この乾燥に掛かるコスト管理も無視できません。かなりの費用が掛かるそうです。籾も精米まできっちり温度管理し、精米の際の摩擦温度にもかなり気を使うようです。

ざっとかなり省いて説明しましたが、これらの過程をしっかり管理して初めて美味しいお米ができるのです。

 

ITやICTを駆使した、米農家の最先端ブレンド技術!

IT技術を駆使した農業というのは新聞やニュースで聞いたことあると思いますが、それを積極的に取り入れているのが「ごとうファーム&御稲プライマル」さんです。

こちらの会社は米のブレンド技術に自信を持っており、様々な蓄積されたデータを元に、「カレーに合う米」や「チャーハンに合う米」など用途に合わせたブレンド米を提供しています。

 

お米自体の味も美味しいのですが、この蓄積された経験値をデータ化し、ブレンド技術の向上に大いに役に立てていることが素晴らしいですね。

データ化といっても、「味」という単純なことではなく、「旨味」「甘み」「食感」などの「食味」に関する検査や、籾状態での乾燥の度合いを徹底管理、調理による相性を、硬さやコシなどの指標としてグラフ化し徹底的に調べます。

 

そもそも「味」というのは、かなり個人差があり、客観的データになり辛い性格を持っています。その味を積極的にデータ化し、顧客の満足度を上げていこうという取り組みにとても感心させられました。

またこちらでは、生産から精米販売まで一貫して自社で行なっています。

ブレンド米以外では、お米が一粒一粒しっかり大きく味わい深い「天の粒」といったプレミアム米もあります。これはほんと美味しいですよ!粒がしっかりしているのでお寿司なんかにも良さそうですね。

 

巨大企業クボタとGoogleを活用したGPS技術!

二つ目に訪れた農家は、総作付け面積がディズニーランド2個分以上といった、すでによくわからないくらいの広大な面積で作付けを行なっている「有限会社うねめ農場」さん。

あいにくの雨模様でしたが、丁寧にご説明頂きました。

クボタさんが提供しているソフトやGPSを活用して、Googleマップ上でトラクターの位置や作業状況の確認、小型ヘリによる肥料等の散布などを行なっています。

ディズニーランド2個分といっても、大きな土地がまとまってあるわけではなく、それぞれの田畑が棚ごとに点在しているため、こういった技術を活用し管理している訳です。

極端な話、会社にPCがあり作業担当者がタブレットなどを持ち、さらに農作業機器が連携していれば、リアルタイムで管理することができるのです。と言っても、農業としての過去に蓄積された技術力があるからこそシステムを使いこなせるのです。素人がいきなりやっても有効活用は難しいでしょう。

またこちらの農場で作る「コシヒカリ」は、粒が程よく硬くもっちりとしたお米らしい食感で、有機循環農法で作られる栄養たっぷりの旨みが感じられます。

ほかにも色々なものを作っています。

例えばイチゴの「ふくはる香」。

時期が旬ではなかったので頂けなかったですが、評判は良いようで、コンフィチュールの売れ行きも上々のようです。

 

巨大倉庫と放射能検査の実態

続いては「JA福島さくら西武農業倉庫・片平倉庫」さんにお邪魔しました。

まぁ一言で言うと「でっかい!」です。

床面積1,890平米(約570坪)、集荷・貯蔵能力1,800t、建設費4億以上、とまぁ色々デカイんです。


入ってみると巨大なプラント施設が見えます。各生産者から集荷された、フレコン一杯入った籾がぎっしり積まれています。それをクレーンで吊り上げ検査プラントに流し込みます。異物除去、粒形選別、色彩選別などの検査を終えて、フレコン(1,250kg)や茶色い個袋(70kg)に仕分けされます。そして扉の向こうの倉庫には・・・見渡す限りの「米」「コメ」「こめ」なのです!いや〜圧倒されましたね。

他の農家さんも当然のように行なっていますが、袋ごとにナンバリングされ、トレーサビリティーが完全にしっかり行われています。仮に問題があってもすぐに追っかけられる体制になっています。

どこの米で、どの田んぼで収穫されてどこの流通に乗っかっているか。完璧です。

気になる放射能検査ですが、データを見る限りこの2〜3年はとても良い状況みたいです。

国の基準値は1kgあたり100bqととても高い数値ですが、29年度の数値は、40万を超える検体数のうち、25〜50bqのものは1点のみ。それ以外のものは測定下限値の25bq以下となっています。年々数値は低下傾向にあります。

この検査にあたっての感想は、「基本的に問題ない。」もし気にする人がいたらそれはしょうがないです。

 

こういうことじゃないでしょうか?

綺麗な水が入ったコップに、多少汚い水をわずか一滴入れたらどうでしょう?感覚的にそれは「綺麗な水」でしょうか?それとも「汚い水」でしょうか?おそらく健康被害はほとんどないと言っていいでしょう。「汚い」と思う方はしょうがない。でも多くの人は家庭菜園程度なら活用するのではないでしょうか?そして、その水で育った作物に実が成る。その作物をあなたは食べますか?
僕は多くの飲食店の現場を見てきています。正直もっと酷い、汚いものを提供しているお店はたくさんあります。健康という観点で見れば管理がいい加減な店舗での食事の方がはるかに危険です。

あとは個人の選択次第です。皆さんの自由ですから。

 

JA直営店「牛豊」で頂いたスペシャルランチ!

お昼ご飯は特別なメニューを用意して頂きました。そう!昼焼肉です!
JA直営店ということで、かなり豪華な福島牛のお肉を各部位ごとに用意して頂きました。

肉は全てA5ランク!しかしこれがまったく脂がしつこくないんです!
歳のせいか近年はA3で十分と言っていましたが、これならいくらでも食べられます。いやホント美味しいランチでした。

ミスジをしゃぶしゃぶ風にして食べるのですが、この時に漬ける生卵がびっくりするくらい美味かったです!いや〜贅沢でしたねぇ。こんなの毎日食べたらアッという間に「デブ」になります。
皆さんも郡山に行ったら是非「牛豊」に行ってみてくださいね!

 

 

イニシャルコスト(初期費用)を緻密に決める!

最後に訪問させて頂いたのは、「株式会社株式会社J-RAP」さんです。
丁寧にご対応頂いたのは代表の伊藤社長。この会社は僕の農家のイメージを一変させました。

まずはJ-RAPさんの概要ですが、

資本金1,000万円、設立1993年7月、主な業務:農産物流通販売・農作業全般受託・農業資材販売・加工品販売などなど多岐に渡ります。

 

代表の伊藤社長はもともと行政側の人でした。よく知る人によると、若い頃から「変人」と言われていたそうです。下っ端役人の頃に本部の担当者捕まえて様々な案件を承諾させたり、面白いと思ったことはどんどん「勝手に」進めたり。パッと見は「ちょっとオシャレな酒好きのおっちゃん」な感じですが、この人のスケールはとてつもなくデカイ!

独立した頃は「またあいつが訳解らんこと始めたぞ」「大丈夫か?」といった声が多くあったらしいですが、現在はとても素晴らしい業績を納めておられます。

まず感心したのが従業員の女性たちの振る舞いや雰囲気。
とても楽しそうに働いています。

それと注目すべきは、建物や設備の綺麗さ!建物自体はそこそこ古いのですが、見た目がとっても綺麗!飲食店でもトイレやバックヤードが汚い飲食店はだいたいまともなものを出せるレベルではないです。それと一緒です。
これは単に綺麗好きという安直な理由だけではないのです。

ここにこそ伊藤社長の理念が詰まっているのです。メンテナンスをしっかりすれば機械も建物も耐久年数が伸びる。定期的にしっかりメンテナンス費用を組み込み、無駄な機器等の新規購入を避ける。結果的にトータルのコストは大幅に削減されるということです。

農業設備類も同様です。大規模な自然光を取り入れた乾燥施設を作り、籾の乾燥を行います。これにより一般的な年間のボイラー燃料費を1/10程度に抑えられるそうです。

イニシャルコストはしっかり緻密に計算できるが、ランニングとなると3年後5年後なんてどうなるか解らない。東日本大地震がそうであったように。
だったらイニシャルコストを徹底的に計算ししっかり費用をかけ、ランニングを極力低減させる。

素晴らしい経営感覚だととても感心させられました。また技術力もかなりの高レベルであり、様々の施策に於いて知恵を絞り出し同時にコストダウンを図っています。

大規模なアメリカの農場経営と緻密な日本の技術と知恵が融合された会社だと思いました。
きっとこういった会社が日本の農業を引っ張っていくのでしょうね。

 

交流会では福島を代表する日本酒を堪能する!

夕方から開催された交流会では、福島県の農産品推進お方々やJAの方々、御稲プライマルの後藤専務やJ-RAPの伊藤社長、福島牛を育てられている方々をはじめ、多くの関係者が参加しての楽しい交流会となりました。

福島の特産品やお米・福島牛を使った美味しい料理を堪能させて頂きました。

特にどんどん注がれる銘酒達はとても美味しく飲ませて頂きました。

お酒が入ると不思議なもので、昼間には聞けなかった様々な悩みや苦労、これからに向けての問題点などが詳しく聞けました。多くの生産者達は本当に懸命に生産してらっしゃいます。感情論だけではなく、科学的根拠もしっかりしています。

今回のツアーに参加して、飲食店と生産者を「Win-Win」で繋げる仕組みを作るという思いを新たにした次第です。

GENTRYコンサルティング は,生産者様と飲食店様を直接手を取り合う関係を応援します。

 

 

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カテゴリー: 現場視察