良い雰囲気の店にするために(まとめ)
雰囲気がお店の売り上げを左右することは皆さんご存知だと思いますが、具体的に雰囲気とはどのようなことを指しているのでしょう?内装の観点か分析してみましょう。
今回は、前回まで「色彩」「照明」「音」について解説したものを総合的にどう活かせば良いか考えていきます。
すべてがバランス良く、そしてコンセプトに沿った形で表現できればおのずと集客もできてくると思います。
開放感のコントロール
良い雰囲気のお店というのは、外からでも何となくわかりますよね。
それにはちゃんとした理由があります。
間口が広い物件を選択し、視覚にも優しいカラーの配色や、活気のある配色をし、入店までの心理状態をしっかりコントロールしているのです。
それに反して、集客が厳しいお店でありがちなのが「入りづらい」という課題です。
業態や物件にもよりますが、一般的に道路の境界線から外壁までの距離が、ある程度は余裕があった方が集客には苦しまない傾向が多いですね。
それは店と境界線の空間に、入店に対する心のハードルを下げる効果を仕掛けているからです。
観察していると分かるのですが、大抵ベンチや植物などが設置してあります。店舗へのアプローチに至る心理的ハードルを下げるため、「いつでもどうぞ」というメッセージが込められているのです。
それと同じくらいに重要なのが店舗物件の間口の広さです。
大抵の物件というのは小さくなればなる程、店舗前面の通りに対して縦長の形をしていることが多いです。
これは物件の特性上仕方のないことですが、可能ならば、店舗前面の幅が長い物件にした方が、お客様から見た場合の印象はより好感が持てるものとなると思います。
人間は大抵の場合、狭い空間に対し警戒感を抱きます。それが見知らぬ空間ならば尚更です。
ですので、より広い間口によって「いつでもどうぞ」という心理状態に誘導するのです。
透過のコントロール
お店の前面が広く取れたならば、次に行うことは壁の手直しです。
賃貸する際の条件にもよりますが、可能ならば前面壁の60%程度をガラス面にすることをお勧めします。
通常、人間というのは未知の空間に対して警戒感を抱きます。その内部が見えないのであれば当然です。
ガラスの効果は、その警戒感を解いて、店内はとても素晴らしい空間ですよとアピールするためのものです。
入店への心理的ハードルを下げ、お店の扉を開けて頂くには、それなりの物件と施工が必要です。
もちろんイニシャルコストを下げるのは重要ですが、入店を促す「お店の顔」をはっきりとイメージ付けしなければ、売上を上げるのは難しくなるでしょう。
安心感のコントロール
入り口までの誘導が可能となったら、あとは入店してもらうだけです。
しかしもう一段高いハードルがあります。
それは価格と内容です。
よく皆さん店頭にメニュー看板を出していますが、しっかり絞り込められていますか?
単にメニュー表の羅列ではありませんか?
それでは「こんなもんね」といった印象しか残りません。
より一層、明確なウリの商品を価格と共にしっかりと大きく表現しなければいけません。
ウリとなる商品の画像や価格表示を明確にし、価格によるハードルを取り除き、期待を超える商品を提供するという意思表示が大事なのです。
それにより技術力への期待値は上がり、入店へと繋がって行くのです。
以上のことに対し、「お店のテーマカラー」「照明の設置方法」「心理状態を効果的にコントロールする音」を上手く使い分けながら内装設計を進めると良いと思います。
今回は、入店までのアプローチとして「良い雰囲気のお店にするには?」を書いてきましたが、次回は入店後の施策を考えてみたいと思います。
GENTRYコンサルティングでは、経験豊富なデザイナーと確実な施工をする工務店と提携しております。