出来る!店舗開業完全マニュアル!

ターゲットコンセプトの作り方

2016年11月16日

お店を開業する際には、「誰に何を売るのか」を明確にしなければなりません。
お客様の属性である「誰に」を必ずハッキリさせましょう。
ここは失敗しやすいところなので、注意して読んでくださいね。

 

狙うターゲット像をハッキリさせる!

皆さんが開業を決意するとき、誰にどんなモノ・サービスを提供したいのか、ある程度イメージはできていると思います。特に提供するモノ・サービスについては、かなり具体化しているはずです。例えば、料理だったら「しっかり熟成された肉料理を食べてほしい」、サロンだったら「きれいな髪質になれる技術を提供したい」といった具合に。

しかし、「誰に」となるとどうでしょうか?

「30~40歳代のサラリーマン」や「若くて美意識の高い人たち」など、漠然としていませんか?

お店に来てくれるお客様の層が広いのは、決して悪いことではないですが、「狙っている」ターゲット像を明確にしなければ、その顧客層への訴求が曖昧になります。また、メニュー構成やお店の内装も、誰に向けてのものか分からなくなってしまいます。

 

理想のターゲットのライフスタイルを考えてみる!

仮に飲食店での出店で、狙うターゲット像が「30~40歳代のサラリーマン」とした場合、どうなるかを説明していきます。

ターゲット属性

上の表は、ターゲットの属性を表したものです。この表を使って、狙うターゲットのライフスタイルを決めていきます。

次に、さらに詳しく日常の行動パターンを探っていきます。

ターゲットライフスタイル

上の表は、ターゲットの一日を時間軸に合わせて、立ち寄りそうな集客施設を含めて示したものです。これで理想とするターゲット像のライフスタイルや行動パターンが決まりました。

 

ターゲットにコミット(約束)できる価値

狙ったターゲットに来店してもらうには、「価値の提供」を約束できるかにかかっています。「価値」と言っても色々ありますが、代表的なものとして「ファンクショナル・ベネフィット」と「エモーショナル・ベネフィット」があります。

 

「ファンクショナル・ベネフィット」とは機能的価値を表します。

・スピード    サービスの提供が速い。
・技術力     提供するサービスレベルが高い。
・価格      「コスパ」が競合と比較して安い。
・便利      店舗が近いなど。

これらはお店側から見たときの価値です。
良い例が「早い・安い・うまい」の吉野屋です。
大事な点を要約すると「能力」「コスパ」「ウリ(USP)」ですね。

※USPについてはまたの機会に。

 

「エモーショナル・ベネフィット」とは情緒的価値を表します。

・印象      デザインが良い。
・優越感     特別扱いされる。
・自信      利用することで自慢できる。
・気分      楽しくなる。

 

こちらはお客様側が感じる価値。そう、顧客視点です。
要約すると「お客様にとっての価値」「新しい価値の提案」「日常への貢献」となります。

顧客価値を決める際、目標となるターゲットにどのような価値を約束するかが鍵となります。
お店側からだけではなく、お客様が感じる価値も含めて、事業コンセプトに沿った一貫した商品・サービスを考えることが大切です。

さて、次が重要です!!!

 

商圏調査を甘く見るな!

いくつもの開業事例を見ていますと、「なぜこんなところにお店を開いたの?」と言いたくなるケースがたくさんあります。ほとんどの場合、ターゲットを絞り込めておらず、商圏調査をしなかったのでしょう。「このメニューを、このくらいの価格で出せば、最低でもこれだけのお客様が来てくれるだろう」と、憶測で事業計画を進めた結果だと思います。
そうしたお店は残念ながら、ほぼ例外なく閉店しているか苦境に立たされています。
商圏調査というのは、融資担当者を納得させるためだけのものではありません。

「絞り込んだターゲット像が、その商圏に存在しているのか」という大事なことを調べるためにあるのです。どんなにおいしい料理を作れても、どんなにスペシャルな技術を持っていたとしても、その価値を認めて対価を払うお客様がいなければ、商売として成立しないのです。

 

商圏調査の方法

商圏調査に必要なのは、積み上げられた大量のデータです。これは個人レベルではほぼ不可能です。ではどうやって調べるのか。総務省統計局が運営している e-Stat というウェブサイトがあります。

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do

ここからデータを集めることができます。
駅の乗降客数でしたら、各鉄道会社のHP に掲載されています。

調査会社が有料で行っている商圏調査サービスも、これらのデータが基本となっています。
しかし、こうしたデータを自分たちだけでまとめ、分析するのは確かに厄介です。
従って、少ない金額で簡易の商圏調査ができるサービスを探すのが一番良いです。

 

私からのアドバイスです。

 

絶対に商圏調査は行ってください!
簡易でも構いません。数万円をケチって失敗しないでください!

 

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