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内装コンセプトの作り方

2016年12月02日

店舗の内装を決める上で鍵になるのが、事業コンセプトに沿っているかどうかです。加えて、ターゲットが明確に設定されているかも重要になります。

 

利用シーン

「事業コンセプトの作り方」に掲載した、5W3Hのマトリクス(表)を思い出してください。ターゲットとなるお客様は、どんなときに来店するのでしょうか。来店人数は1人でしょうか、カップルでしょうか、同僚とのグループでしょうか。また、利用動機は何でしょうか。

狙っているターゲットが来店する際の人数や利用動機と、自分が理想とする店舗のイメージをできる限り近づけてください。このふたつが大きくズレていると、お客様は離れていってしまいます。

例えば、メインターゲットは30代のサラリーマンで、仕事仲間とワイワイガヤガヤ飲みに来るのに、理想とする店舗イメージはオペラが流れる落ち着いた店だとしたら、どうなるでしょう?

ここは大事なポイントです。

内装コンセプトを作る際は、まず、ターゲットとなるお客様の核となる来店人数と利用動機を決める必要があります。それらを決めることなしに先に進めてはいけません。

 

基本コンセプト

店人数と利用動機が決まれば、次に考えるのは基本コンセプトです。

例に上げた「仕事仲間とワイワイガヤガヤ飲みに来る、30代のサラリーマンの方々」をメインターゲットにした場合、以下のようになります。

内装基本コンセプト

 

店舗の発展

店舗の内装を決める際は、将来、事業がどこまで広がるかも考えなければなりません。
飲食店を例に考えるとわかりやすいです。

「今後、テイクアウトや物販まで行う予定がある」

「通販も考えている」

こうした事業展開の幅によって、内装や設備の設計が変わってきます。
内装や設備はあとから追加しようとしても、簡単にはできません。
あらかじめどこまで対応するのか、決めておくことが肝心です。

 

機材選定

内装を計画する際には、大まかなメニュー構成も決まってなければいけません。そうでないと、どの程度の機材がどのくらい必要かわかりませんから。

過去の経験から、どの程度の機材がいくつ必要かは想像がつくと思います。これらの機材の型番・サイズ・数量などを一覧表にしておきます。

この段階でやりたいことが「アレもコレも」と出るようでしたら、もう一度、事業コンセプトを練り直すことが重要です。さもないと、余計な機材を発注することになり、初期投資が過大になってしまいます。それは後々の経営に、重大な足かせとなることでしょう。

 

動線 (レイアウト)

動線を考える際に気を付けなければならないのは、客動線とオペレーションです。

客動線に関しては、小売店舗ならできるだけ長い回遊動線を取ることが常識ですが、飲食店や美容院の場合はお客様の「快適度」がポイントとなります。

「空調が適度に当たる」「余計な回り道がない」「スタッフとぶつからない」「トイレまでスムーズに行ける」など、お客様の「居心地の良さ」を考えた動線が必要になるわけです。

オペレーションに関しては、「作業台をどこに配置するか」「イス・テーブルとの距離感をどうするか」などを考える必要があります。

この段階では、メニュー構成が決まってなければいけません。そうでないと、必要なものをどれだけどこに置くかもわかりません。これは機材についても同じことです。
動線が最も複雑だと思われる、美容室を例に見てみましょう。
 

例)入口から入り受付→待合室でカウンセリング→店内を通りながらシャンプー台に移動→カットスペースに移りカットやカラー→シャンプー台に移動しシャンプー→カットスペースに戻りブロー→受付でお会計をして退店

美容室動線

スタッフで例えると、

受付→アシスタント→スタイリスト→アシスタント→スタイリスト→受付

美容室スタッフ移動

お客様やスタッフの動きを示す矢印を見て頂くと、動線がとても複雑だとわかります。

(アシスタントの方、すごく動きますね。十分なケアが必要ですね。)

この複雑な動線を、「お客様の満足」という視点で考えなければなりません。また、この作業パターンを基本として、客席、機材・什器などの配置も決めなければなりません。

売上げ計画をもとに必要となる客席数は決まっていると思いますが、ポイントは、必ず平面図を見ながらシミュレーションしておくことです。

考え方として、ゾーニングを意識すれば良いと思います。

・入客を促す「エントランスゾーン」
・店舗の印象を決める「受付・待合ゾーン」
・メイン作業と接客を行う「カットゾーン」
・メイン作業の下準備をする「シャンプーゾーン」

と分かれていきます。

ポイントは、それぞれのゾーンの関連性がどの程度あるかです。例えば、「エントランスゾーン」と「シャンプーゾーン」は、直接の関連性は薄いですよね。こういった場合は、ゾーン同士を離して設計しても問題ありません。

もちろん作業効率とのバランスになりますが、この「お客様の満足」という視点を忘れると、当然、満足度は低下し、お店の人気も下がることになります。

同じように、スタッフの満足度も非常に重要です。近年の人材不足は過酷です。私たちの修行時代と違い、適切な労働環境を用意しないと、手塩にかけたスタッフはあなたのもとから簡単に離れていってしまいます。スタッフルームなどでも、しっかりと快適さを提供してください。
 

彼らがいなければ、売上げを立てることはできないのですから!

 

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